衛生管理用除菌水

衛生管理用除菌水とは、手指や器具、設備などの表面に付着した細菌やウイルスを除去し、衛生的な状態を維持するために使用される水ベースの除菌液である。主に次亜塩素酸水や電解水、過酸化水素を主成分としたものが用いられ、アルコール系とは異なり、揮発性が低く刺激も少ないことから、人の肌や食品が接触する場面でも安全に使用できるのが特長である。

用途は食品製造や医療、福祉施設をはじめ、研究機関や公共施設など多岐にわたり、手洗い補助、作業台の拭き取り、空間の加湿除菌など、さまざまな場面で活用されている。特に電解方式で生成される除菌水は、有機物の分解や臭気の低減にも効果を発揮し、環境面への配慮も進んでいる。加えて、一定の濃度とpHを保つことで安定した除菌効果が得られ、使用後は速やかに分解されるため、残留性が少なく後処理の手間も少ない。機械装置との連携により自動供給や噴霧が可能で、作業者の負担軽減や作業効率の向上にもつながっている。衛生意識の高まりとともに、持続的な衛生環境の維持を支える基盤として、ますます注目されている水系除菌手段のひとつである。